生霊(?)
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1.[コージー] 何年前かの実話。 一緒のバイトの人と付き合い始め、一か月も経たないうちに店に何やら気配を感じるようになった。 閉店作業中、他のバイトの子も帰って一人最後のチェックをしていると奥のソファーに何やら影が。 目を向けるとそこには誰もいない。 疲れが溜まっているだけだろうと、気にせずその日は帰った。 それから毎日、一週間くらいずっとその影は同じソファーに佇んでいた。時間も決まって閉店後。 影は長い髪を垂らした俯き加減でそこにじっとしている。不気味だったが、特に危害を加える様子はなかった。 次の日、久しぶりに彼と帰った。 彼は自転車をひきながら、駅まで私を送る。その途中の細い歩道で、女性と擦れちがった。 私は彼と話しながらその女性に目を向けると… …その人の顔は青白かった。長い黒髪にロングスカート、俯き加減で歩く… 気にせずに進んで行くとまた女性と擦れちがった。 だが、今度は私が先に歩き、彼は待っていた。 私は不思議に思い、振り替えると、道幅が狭く2人しか通れない事を知った。 (あれ?…さっきの人は?) 青白い女性は確かに彼の横を通った筈なのに、彼は避けもしなかった。 …恐怖が襲う。 そしてその次の日、終電を逃し、久しぶりに彼の家に泊まる事になった。 眠りに付く事、数時間。体が急に重くなり、金縛りかと思うと、今度は急に熱が出てうなされた。 原因不明の発熱。 風邪をひいた覚えもなく、酷く苦しい想いが体を襲う。 ここ最近のでき事を思い返し、私ははっとした。 (彼だ。彼に関係する人が私に嫉妬している?…だとしたら、元カノ?) そんな考えが頭を過ぎり、彼はもう私のものだ、と強く思った。 そのうちに眠りに付き、朝には熱が下がった。 彼は何も知らない様子で明るく「おはよう」… 私はそんな彼に前の彼女の話を聞いた。 すると…結婚までいって、彼から別れたと言う。 その人で間違いない。私は続けた。 「その人って大人しい感じで、髪が長くて、ロングスカートをはいていて、俯いているような人?」と言うと彼は目を見開いた。 「なんで知ってんの!?」驚く彼に例のでき事を彼に告げると、彼はようやく納得した。 「不思議だけどそういう事あるんだな」 彼女の想いが強く、生霊となって私を襲ったのだろうか。 05/30 15:11 SoftBank
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