爆弾池
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1.[ともくん] 子供の頃、住んでいた団地の隣に広い空き地がありました。空き地の真ん中には大きな池があり、その周りは、すすき等の背の高い草に囲まれていました。「危ないから、あそこで遊んじゃいけないよ」親は当然、子供に言い聞かせていましたが、昔の子供に、そんな親の忠告を素直に聞く奴は居りません。親の目を盗んで、その日も私は近場の友達と池へ遊びに出かけたのでした。その日は、とても良い天気。池に釣り糸を垂れる大人や周りで遊ぶ子供が何人もいました。ふと気が付くと池の中央付近に浮かんだ筏とも言えない板切れの上に数ヶ月前に団地から引っ越したはずの友達がチョコンと乗って、こちらに向けて手を振っていたのです。「あれ?アイツ引っ越したはずなのに何で、ここで遊んでいるんだ?」一瞬、疑問を抱いた私でしたが池の中央の筏まで、蓙の様なボロ布が浮かんでおり、その上を歩けば友達の所へ行ける様な錯覚を抱いてしまいました。フラフラと池に足を踏み入れようとした、その瞬間「おいっ!」と言う怒鳴り声と右腕を痛いまでに引っ張る強い力を感じ私は後ろを振り向きました。しかし、そこには誰も居なかったのです。いっしょに遊びにきた友達は少し離れた所で遊んでおり声の主たる大人も居ませんでした。そして池の中央の筏に目をやると、そこにたった今まで居たはずの引っ越した友達も消えていました。 ずっと年月が経ってから聞いた話では、その空き地には第二次大戦中、大きな軍需工場があり、池は米軍によって投下されたIt爆弾で抉られたすり鉢状のクレーターに水が溜まったモノだったということでした。池の上の「友達」と私を引き止めた声の正体は現在でも判りません。昭和49年の今頃の話。 07/23 20:09 DoCoMo
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